ドイツからお知らせです(2)
戦時中の話題に触れることについて 私個人は非常に気弱です。
ところが そんな私が 咲間さんの手記を読んで、
「これは 人の目に触れるようにしないといけない」と思いました。
その頃の咲間さんは もう歩けませんでしたし、
咲間さんに会える人は とても少ない状況でした。
.
悩みに悩んだ末、咲間さんの了解を得て、手記や写真を借り受け、サイトを作りました。
そのサイトが「となりの人から聞いたこと、そして私が思うこと」です。2009年でした。
悩みに悩んだ私の背中を押してくれたのは すでに他界されていた 咲間さんの戦友の皆様の言葉でした。
旧日本軍の毒ガス使用は 国家機密でした。
咲間さん以下部隊全員「話してはならない」と命令されていました。
全員が秘密を守ったまま終戦を迎えました。
バラバラになった戦友たちが 集まった時に
「ガス部隊のことを書き残そうと思うが どう思うか」と、相談したそうです。
戦後何十年かたっていました。
「咲間、お前は書けよ」「俺たちは書こうと思っても書けない、お前は書けるのだから、書け、書いてくれ」と戦友の皆さんに言われたそうです。
手記は完成し、戦友の皆さんが読めたのかどうか....
私が出会った2008年の時点で ガス部隊の生き残りは咲間さんたった一人。励ましてくれた人は皆他界されていました。
この世にはもういない方々の....
その言葉が 私の支えになりました。
「当事者の方々が、記録に残して欲しい、と思った」
もうそれだけで良い、と思いました。
Edited by じゅんか 2023-05-21 09:53:41
Last Modified 2023-05-22 17:58:01