オットのはんてん

このはんてんには思い入れがある。
もともとは母がどこかで仕立ててくれたものだった。
中身のわたに「まわた」が使われているもので、市販品ではあり得ない。
オットはこのはんてんを愛用していたのだが、ボロボロになった。
古着の絹物をリメイクしていたからだ。
そんな時、通勤電車の中で、見知らぬおばあさんに出会った。
いつもステキな古着リメイクの服を着ていた。
何気なく話しかけると、全部自分で作っているという。
何度目かに「うちのはんてんをリメイクしてくれないか」と頼むと快く引き受けてくれた。
布地は、親戚の形見分けでもらった「秩父銘仙」をほどいて使ってもらった。
このおばあさんはリューマチだった。
痛む手で作っているはずなのに、とても綺麗に仕上げてくれた。
そしてそれから、もう2年たとうとしている。
このはんてんを毎日着ているので、よく破れる。薪を運んだりもするしね。
引っ越してしまったので、あのおばあさんにはもう会えない。
何度も当て布をしています。つぎはぎになってきました。
Edited by じゅんか 2005-12-03 23:41:11
Last Modified 2005-12-04 01:20:29