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2005-12-30創作語り「大きな声のこびとさん」
うちの子どもは歌が好き。
しかもほとんど即興歌。
「おじょうさまーのおかえりだー あるいてわたって なんとかだー♪」
(たぶん「ホレおばさん」のフレーズを元にアレンジしたらしい)
ほっておくと延々と歌うし、面白いんだけど、声が大きくて、時々疲れる。
そこでおはなし。
昔むかし 大きな声のこびとさんがいました。
こびとさんはあんまり大きな声だから、「おはよう!」って言うと
「おはよう」の声が大きな岩になって空から落ちてきます。
こびとさんは寂しがり屋さんだったからお友達のところへ走って行きます。
「ねえねえ こんにちは!」
そう言ったとたんに「ねえねえ こんにちは」の岩が空から落ちてくるのです。
この岩がどのくらい大きいか、わかる?
ようすけくんが おさんぽのとき 川まで歩くね。
川まで歩いて おうちに帰るね。
もういちど歩いて もういちど おうちに帰るね。
またまた歩いて またまた帰るね
それと同じくらい時間がかかるの!
「ねえねえ こんにちは」の岩を乗り越えるのに。
それでこびとさんは困ってしまいました。
友達と遊べなくて 泣きました。
ええん ええんと泣きました。
すると空から天使さまがやってきました。
こびとさん こびとさん
ふーって息を吐いてごらん
それを聞いて、こびとさんは「ふーっ」息を吐きました。
岩が小さくなりました。
天使さまはたんぽぽのわたげを渡しました。
こびとさん こびとさん そのわたげが飛んで行かないように
そうっと そうっとおはなししてごらん
こびとさんはそうしました。
そしておともだちとあそびました。
それからこびとさんはわたげを持って歩くようになりました。
おしまい。
Edited by じゅんか 2005-12-30 21:02:01
Last Modified 2005-12-31 01:25:38