下手でもいいから ともに。
随分前のことを思い出しました。
この日記でもちらりと書いたかもしれません。
私が20代半ばの頃、あるご婦人のおうちへ行きました。
彼女の夫は日系ペルー人で、夫に連れられて日本へ来て、夫と赤ちゃんと、3人家族で暮らしていました。
彼女の家は 夫が働く自動車整備工場の二階でした。
自動車整備工場と言っても、社長と、彼女の夫が二人だけで働いている、小さな場所でした。
周囲は長く伸びた国道があるきりで、ご近所のおうちも見えません。
そして彼女は スペイン語しか話せませんでした。
その時集まった人々は 私を除き全員スペイン語を話せる人ばかりだったので、私はただそこにいました。
なぜそこに、私が行くことになったのか思い出せないし、その後彼女がどうなったかも私は知りません。
でも その時 私たちが何をしたかは覚えています。
カセットデッキで音楽を流して、踊ったのです。
決まった振付があったわけではなくて....。もちろん適当だけど!
ペルーにそのまま住んでいたなら いつだってみんなが踊っている。
彼女だって毎日踊って暮らしていました。
でも それができないで 彼女は寂しい。
誰かがギターを弾いて
誰かが歌い出して
誰かがカセットデッキを出して
あっという間にみんなが踊る環境にいた彼女は とても、とても、とても 踊りたかったんだ!
ひとりでなく、みんなで踊りたかったんだ!ということがわかりました。
赤ちゃんを抱きながら踊っていた彼女の姿を 私は忘れません。
そのころも 今も 私の役割は同じです。
下手でもいい。なんでもいい。
共に踊る役が 人には必要です。
Edited by じゅんか 2019-03-13 10:11:52
Last Modified 2019-03-13 13:10:25