アマチュアとプロの間(2)
番組ガイドづくりの間に、ちょいちょい違う仕事もしていました。
「予算もないから、あんたがチョット頑張ってくれたらいいから」などというお客さんがいて、断れなかったんですよね。
というわけで 間に合わせのようなパンフレットづくりもしました。
これはこれでフラストレーションがたまります。
原稿自体が 適当な殴り書きみたいなもので、ダメ出しもあまりないけれど、「より良いものを作りたい」という熱がお客様自体からも感じられず、自分の気持ちにも火がつきません。
あまり思い出したくない 適当なものを作った気がします。
そうこうしているうちに、神戸の震災が起きて、会社自体も被災し、担当していたガイドづくりも仕事自体が無くなって、私は会社を辞めました。
同時に とあるボランティア活動に参加しました。
震災がおきて、みんな「何かしなければ」という気持ちでいっぱいになっていました。
ちょうど会社を辞めていて、時間のあった私は 3か月くらいはそれに没頭したと思います。やるべきことは沢山ありました。名誉職についていた人の呼びかけで、とあるイベントを企画することになったのです。みんなアツくなっていて、沢山のプロフェッショナルの手を借りました。平時ならあり得ないさまざまが起きました。皆手弁当でした。
私は若かったので、後先考えずにイベントのチラシ(今風に言うとフライヤー)のデザインを作りました。
私は学生時代にいくつかのボランティア活動をしていて、同じように 何度もチラシのデザインを作ったことがありましたが、このときはじめて、「ボランティアで作ったものへのはっきりとしたダメ出し」を受けました。
たいていのボランティアでは 「善意でしてくれたことへのダメ出し」ってしづらいので、中途半端なものがまかり通ってしまいます。
今思うと本当にそれはありがたいことでした。
作り直すと 確かに良くなりました。
指摘してくれた方はプロの照明家の方でした。
そのイベントは舞台だったので、出演者はもちろん、PA(音響)、照明、カメラマンなどの方が善意で手伝ってくださっていました。
でも私はそれがどういうことなのかわかっていませんでした。
わかることになったのは イベント前々日でした。
その照明さんは 「出演するアーティストと打ち合わせさせてください」と言いました。打ち合わせは夜中3時まで及びました。
どういうリズムの音楽が流れ、何拍目でどう動くか、その時舞台のどこにいるのか、を確認する作業でした。
当日来てくれた照明担当者は この方を含めて3人でした。
打ち合わせをして 作業するための表?を作成しないと 本番は迎えられなかったのです。
「照明ってライトで照らすだけ」と思っていた私は衝撃を受けました。
「照らす仕事」はこんなにも配慮のある仕事だったのか、と思いました。
照明のSさん、その世界では大変有名な方だそうです。
その節は 大変ありがとうございました。
Edited by じゅんか 2019-07-29 08:23:14
Last Modified 2023-03-13 19:24:21