アマチュアとプロの間 あとがき
アマチュアとプロの違いは何だろう...?の自問自答から 一連の記事を書いたのです。
自分で「私はプロだ」と思っていればプロフェッショナル
「私はアマチュアだ」と思っていればアマチュア....
もちろんそれもありますね。
今日不意に思い出したんですよ。
印刷会社に勤めていた頃、広告を作る仕事がありました。
普通は 広告制作の会社やデザイン会社が作ります。
「イメージ広告」という指定があるだけで、写真の提供も、原稿の提供もありません。
例によって 自信がないけど、断れない仕事でした。
ショッピングモールの宣伝で、年間契約。「毎月少しずつ違うもの」「季節感のあるもの」「イメージ広告」わかることはそれだけです。
担当者はお堅い感じのお役人風な人で、キーワードも、ヒントも無しです。
そして、予算は大変限られていました。
キャッチコピーは 私が書くしかない、と思いました。コピーライトを外注する予算がないんですから。
イメージ写真をレンタルしようとも思いましたが、その頃の「借りポジ」は1点3万円くらいかかりました。予算オーバーで、ボツ。
社内でイラスト描ける子を探して描いてもらいましたが、アニメのマネしか描いてもらえず、ボツ。
上司が 「カメラが得意な知り合いがいるから」と言ってきたので 写真を借りに行きました。もちろんお礼はお支払いするつもりでしたから、あれこれ要望は伝えました。
なるほど上手です。でもその写真は....カメラ好きが集まる 写真撮影会のものばかりでした。「キレイなお姉ちゃん」の色っぽいポーズの写真です。
ファミリー向けのショッピングモールの広告には とてもじゃないけど使えません。
ビックリしたことに このお色気写真を持ってお客様のところに上司が交渉に行きましたが、即答で、ボツ。そりゃそうだ。グラビア誌じゃないし。
その後 縁あって、専門のイラストレーターではないけれど、かつて出版社の事務員をしながら挿絵を描いていた人に出会えて事なきを得ました。
広告の目的と細かい仕様を知らせたうえで 折り合いのつくイラスト料金にも 納得してもらえました。
ほっとしました。
一番ほっとしたのは お客さんの求めるものを理解してくれたことですね。
自分の描きたいもの、撮りたいものをどんどん描く、撮るのは 素敵なことだけど、商業用のイラストやデザインはお客さんの要望あってのものです。
言葉にならない要望を汲みだしたり、言葉になっている部分を どう表現するかが お仕事としてのツボですね。
ああ、ようやくこれで 私は救われたような気がします。
確かに私はプロとアマチュアの中間にいますけれど、お客さんが何を求めているのか、何を伝えたいと思っているか、は 私なりの配慮と努力をしています。自己満足にとどまらず、良い結果を出していければいいなと思います。
Edited by じゅんか 2019-07-30 12:00:08
Last Modified 2023-03-13 20:09:49