オタマジャクシのおはなし
うちの子ものばらちゃんも 同じ遊びを長くするタイプだ。
ソレ自体はいいのだけど
...終われない。
シュタイナー幼稚園のカリキュラムというのは
一日のリズムがはっきり決まっている。
内遊び....お片付け...ライゲンや手遊びなど....外遊び....昼食..
わが家の場合は この後お昼寝....。
大きな流れはこれだけだが トイレや着替など
細かいことを入れると 案外一日はあっという間だ。
..で、「切り替え」がうまくできないと やはり困ったことが起こる。
あんまり困ったので おはなしを作った。
今はお昼寝の時のおはなしはこれである。
オタマジャクシのおはなし
むかし むかし あるところに
かわいい男の子と かわいい女の子がいました。
男の子と女の子とお母さんは 毎日お散歩に行きました。
ゆきがとけると ふきのとうを摘みました。
それが終わると こごみを摘みました。
それが終わると つくしんぼを集めました。
そしてあたたかくなると 川のそばのお砂場で砂遊びをしました。
散歩道には 田んぼもありました。
田んぼの中にはオタマジャクシが泳いでいました。
すいすい泳いでいました。
そして 子どもたちとお話ししました。
すいすい泳いでいるのはとてもきもちがよくて
いつまでも いつまでも およいでいたいと思いました。
けれども あるとき からだがもぞもぞとしました。
そして あるあさ 目覚めると オタマジャクシはカエルになっていました。
カエルになったオタマジャクシは もう すいすい泳ぐことはできませんでした。
葉っぱから葉っぱへ ぴょんぴょん ぴょんぴょん 飛びました。
ぴょんぴょん 飛ぶのはとてもきもちがよくて
いつまでも いつまでも 飛んでいたい と思いました。
けれども 秋が来て 落ち葉がはらはらと 落ちて来ると
カエルは土の中にもぐることになりました。
土の中はとても気持ちがよくて
カエルはそこで眠りました。
いつまでも いつまでも 眠っていたいと思いました。
けれども 春の女神様が雪をすっかり溶かしてしまうと
カエルはふたたび 地上にあがり 田んぼのすみっこにたまごをうみました。
そしてあたたかいある日 たまごから オタマジャクシが生まれました。
そして また こどもたちに会うことができました。
オタマジャクシは言いました。
どんなにどんなに楽しいことも
「あるとき」がやってきたら 「おしまい」
そして 次の楽しいことがやってきます。
そして次の楽しいことも
また「あるとき」がやってきたら 「おしまい」
そしてまた 新しい次のことがやってきます。
そうなんだよ、とオタマジャクシはいいました。
子どもたちは オタマジャクシに
「それじゃ また明日ね!ばいばい」と言いました。
おしまい。
Edited by じゅんか 2006-06-27 00:36:03
Last Modified 2006-06-27 08:12:56