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2012-11-07
日常と言う名の芸術

思い出した。


寅子ちゃんという人がいた。
彼女がある日言った。 
「○○くんに 髪を切ってもらうのが とてもいいの。
とても 気持ちがよくて 泣いてしまう」

○○君は とある美容室を経営していた。
小さくて でも とてもかわいいお店だった。
早く言えば ただ美容室で 髪を切ってもらうだけのことだった。

○○君は 寡黙で 別段 どうこうリクツをいう人ではなかった。
むしろ接客はニガテそうだった。

私も何度か切ってもらった。
少しわかった。
彼に切ってもらうと 確かに 他の人に切ってもらうのとは全く違う心地よさがあるのだった。
どういうことなのかは わからない。

その後○○君のお店は いくつか増えた。
心地よい空間と 紅茶の味を思い出す。
良いお店だった。


関係ないけど、時折 ラヴェルのボレロが聴きたくなる。


なんだろうな、と思いつつ ぱちんと弾ける感じがした。
高尚なもの、いかにもそれらしいものだけが芸術なのではない。

髪を切ること
料理をすること
そうじをすること
笑うこと
泣くこと
ふざけること
あそぶこと

全ての日常は芸術であり、楽しむことが出来る。

我々主婦の日常は地味である。
あっという間にちらかる部屋をそうじして
あっという間になくなるごはんを作り
せんたくして 雑事をこなしていく。

雑事の量は家庭によってさまざまだから それぞれの悩みもあるだろう。

全く同じフレーズを何度も何度も繰り返すボレロを思い出す。
何度も何度も繰り返すのだけれど 全く同じという訳でもない。
意味深いわけでもないが 意味がない訳でもない。


小難しいことを書いてみた。
センチメンタルな秋の気分でごめんなさい。

しかし すべからく日常をいかに過ごすかは 一人一人に委ねられた芸術に他ならない。

そんな私の日常は とても下らないバカげたやりとりと雑多な雑事で満ちてもいる。
それが私にとって心地いい。
誰に何を言われたとしても。



Edited by じゅんか 2012-11-07 03:05:05
Last Modified 2012-11-07 15:31:17





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