解体の前に(2)

先日 実家事務所建物をご覧いただいた方から 写真をいただきました。
建物のそこかしこを撮影したもの、また、建物を建てた大濱浄竿さんが作った小物類の写真でした。
小物類の写真の中にケヤキの菓子鉢がありました。
子どものころから何度も何度も見て、さわって 私にはとても懐かしい器です。
手がんなでこの曲線を作っていることの難しさは、木工をされる方なら想像できるかなと思います。
でも 私がお伝えしたいのはそんなことではありません。
器に焼きごてで絵が描いてあります。
この手法で焼き付けされた絵が、実家のあちこちにありますが、銅線??の先を焼いたものを手に持って、フリーハンドで描いたものだそうです。小さかった姉がその様子を覚えているといいます。
話が脱線しました。
この菓子鉢に描かれている絵は「売茶翁」です。天秤をかついで茶道具を運んでいる様子ですね。
文章も書かれています。
山林水石の如く
風碩(?)を求める間にありて
身分の貴賎を問わず
茶を煎じん
この文章の出典は不明ですが....私はこの文章の持つ意味と、事務所建物のこれまでの役割に、縁を感じずにはいられません。
Edited by じゅんか 2018-10-04 23:41:37
Last Modified 2018-10-05 00:56:25