実家事務所の話/大濱さん(1)
姉が書いた記事があります。ぜひご覧ください。
『完全敗訴から控訴審終了 長文』
実家事務所の話をちょっと書きます。
家が芸術作品とか ちょっとピンと来ませんよね。
私が生まれたころにできた事務所なので、私にとっては 確かに当たり前に目の前にあったものです。
でも 同級生からは「すごい階段の家」と言われることはしばしばありました。
小さいころから「事務所を見に来るお客さん」が沢山いました。
大工さんをはじめ、木工家、陶芸家、染色家、建築家..本当に沢山です。
だんだんと 「これがあたりまえではない」ことがわかるようになりました。
はっきりとその価値が実感できるようになったのは大人になってからです。
幅1.8メートルの小さな事務所に あれだけ個性の強い材料を沢山使って 細かく見れば 沢山の意匠もあって....
でもね、シンプルなんですよ。
ねじくれた木を一本使っただけで 相当空間のバランスは微妙になります。
奇をてらったデザインはいくらもありますが すっきりとおさまっていることは本当に少ないことに気付きました。
これが表現するの、とっても難しいです。
また 実際の建物に来た方だけにわかる可動式の仕掛けも何か所かあります。
また構造的にも大変不思議な作りになっており、しばしば「どうして建っているのかわからない」と言われます。
大濱さんが私の実家に残したものは事務所だけではなくて お菓子鉢ですとか小さい小函など、細かい作品もあるんですけど、どれも本当に素晴らしいです。
父親が猛烈な大濱さんのファンだったこともあって、渡米されてからも 何度もお会いしたり、アメリカで掲載された雑誌や新聞類が送られて来ることがありました。
渡米されてからの作品展も「かんざし」「キッチンツール」「家具類」から「家」まで多岐にわたり、実物を拝見する機会も何度もありました。
そのたびに 子どもながらに驚いていました。
私は いわば 材木屋に生まれて 沢山の木工作品を拝見し、変な話、立派な作品は見慣れていました。それでも......なんというのか 「天才というのは こんなにも凡人とは違うのか」と毎回思い続けてきました。
言葉足らずなのですが 本当にこんなことしか言えません。
いやしかし、ここからは 姉たちの発信をフォローする方へ回ります。
Edited by じゅんか 2017-03-03 09:30:34
Last Modified 2017-03-16 09:55:14