備忘録//材木屋ばなし//あとがき
大濱浄竿作品回顧展プロジェクトによるクラウドファウンディング始まっています。
関心を持ってくださった皆様 ご支援くださった皆様 ありがとうございます。
「材木店ばなし」シリーズ備忘録です。興味のない方はスルーをお願いします。
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終わる終わると言っておきながら、最後に書きたかったことを少し。
ここまで書いて、私がこれまで少しずつ書き溜めてきたことが ようやくつながったなと思っています。
私は浄竿さんを不思議な人だと思っていて、襖に書かれた墨書も、菓子鉢に書かれた文章も 我が家の指針を示すものだったと思っています。
クセのある木を沢山使って...でも美しい事務所ができて、沢山の芸術家の方がお越しになるようになりました。
同時に、実家材木店は 高級材も そうでない材も 雑多に扱う店となりました。
お客様の客層はごちゃまぜで、文化祭の準備をする中学生から、老人クラブの方までの老若男女、日曜大工のサラリーマンから 伝統工芸の作家さんまでさまざまでした。
だからこそ、良い材をそろえて芸術家の方にお分けすると同時に、汚れた板は花の台を探す人にお分けし、小さな木は犬小屋を作る人にお分けし、高級材の端材は小物を作る人にお分けすることができました。
沢山のお客様がいて、沢山の材料が用意できることを実感して暮らしました。
「身分の貴賎を問わず、茶を煎じん」と書かれた売茶翁の菓子鉢、
「富と貴きとは、是れ人の欲する所なり.....貧しきと賤しきとは、是れ人の悪む所なり....」と論語の一節が書かれた襖
「宗教と学問と実用は、すべて必要なものだが どれにも偏ってはならない」と描かれた「僧侶」と「学者」と「医者」の絵、どれも 我が家にとって大事なメッセージでした。
私にとって、「奇跡のような出会い」はそのような日常の一コマすべてでした。
今日も読んでくださりありがとうございます。
今日一日が皆様にとって 良い日でありますように。
Edited by じゅんか 2018-12-05 08:51:07
Last Modified 2018-12-05 12:00:05