寅子ちゃん ありがとう
寅子ちゃんには 不思議と恨みはない。
心ある古い友人やウチの夫は 私と寅子ちゃんのつきあいについて
ひじょーに辛口です。
彼女とはからまない方がいい...と思うらしい。
今となれば 少しわかります。
あの頃は気づかなかったけれど、彼女とつき合っている時は
彼女のマネをしていたんだな....。
寅子ちゃんのせいばかりでもないんです。
私には どこか 上昇志向があり、
偉い人と交流したい、目立ちたい、モテたい、と色々欲があります。
それまでも、市民運動系なイベントを手伝うことがままありましたが
それは善意から発したものとは言えません。
多分、功名心から発したものです。
精神的にヒマだった、ってゆーこともあるでしょう。
寅子ちゃんはメチャクチャだけど、そうゆー欲のない人でした。
だから 彼女のそばにいて、彼女のようになりたかったんです。
でもね、キャラが違いますから。
彼女のそばにいても、彼女のファンは私のファンにはなりません。
当たり前ですね。
とにかくこの時期の私は八方塞がりでした。
おカネはないし
モテないし
将来の展望はないし。
とにかく不安でたまらなかったので、
この時期はみっともなかった。
かまってくれそうな男子に手当たり次第電話したり
色々あったり、
でも そおゆー濁った目的のやりとりは 後日すごく落ち込みますし
人生の中で最も思い出したくない時期ですね。今思うと。
寅子ちゃんが出て行ってしばらくしてから
今のダンナと色々話すようになったような気がします。
とにかく八方塞がりなのだから またゼロからやりなおし
資格商法はやめて バイトを探す
一個じゃ食べていけないから 昼も夜も働く
役場に行って 年金が払えない手続きをする
それでも 資格商法で作った借金の返済があったから
全然おカネないですよ。
千円で何日食べていけるかを真剣に考え続けるような日々ですね。
現在の夫が時折野菜を差し入れしてくれていましたね。
あれは 助かりました。マジで。
まあでも だからよかったんですよ。
結局トドメにアパートが火事ですよ。
コレは今でも本当に神様に感謝しています。
あの火事で私のそれまでの精算が一気に進んだのです。
寅子ちゃんが出て行って半年余り後の出来事でした。
人助けだと思って結婚してくれ、と頼んだのも 普通の神経ではできません。
何しろ夫は本気で結婚を嫌がっていたのですから。
だけどまあ 彼も仕方がないと思ったらしい。
それまでの私の困窮ぶりを見ていましたからね。
大した付き合いはしてなかったし 愛はなかったでしょうが
同情結婚ですね。
変な話、私も変なプライドがありましたから
一人で生きていける強さがあったら 今でも結婚していないと思います。
ここらあたりで すんごく実感したんだよね。
アタシはこのまま生きたらダメになる、と。
まあ実際、働いて食べて寝る、以外のことは 何もできないとこまで行ってましたしね。
火事が起こったのも結果的にはラッキーでした。
持ち物のほとんどはなくなりましたが、
本来帰って来ないはずの保証金が全額返って来ました。
寅子ちゃんのおかげで 知人だけは沢山いたので お見舞いも沢山いただきました。
これまでの私の行いによって それまでの友人の多くは失っていましたから
結婚式も親族のみで小さくOK。
帰って来た保証金とお見舞い、結婚式のご祝儀で 残っていた借金も清算。
着たきり雀上等!と思っていたらバイト先の友達が服をくれました。
離婚した姉のお下がりで新居の電化製品等はまかなえました。
何より、結婚したら 2LDKの社宅に入れて 家賃1万5千円くらいでした。
風呂なし1DKに6万円払っていた私は 涙出そうでしたよマジで。
皮肉なことに、寅子ちゃんの友人が縁で夫と知り合っているんです。
夫は寅子ちゃんが苦手だったし、私はその共通の友人が苦手だったのに。
そう思うと 彼女が縁結びの神様だったと言えなくもない。
長かったな。
とにかく 私は寅子ちゃんに恨みはありません。
私は環境に左右されやすい人間なので、関わりたくはないけど。
そして、彼女と連絡を取り合わなくなって10年以上が経ちました。
でもきっと 彼女は元気だと思います。
寅子ちゃん ありがとう
Edited by じゅんか 2010-04-10 23:29:36
Last Modified 2010-04-11 11:03:43