実家自慢/良い木があつまる不思議
絶対に値切らない。これは父の強い信念です。
値切らない、ならおカネに糸目をつけず買うのか、というとそうではありません。
値段を聞いて、高いな、と思ったら買わないだけ。
「この値段で この品物は適正/またはお買い得」と判断したときだけ買います。
たまに「こんな悪い材料なら安くしろ」と難癖に近いケチをつけて値切るお客さんがいますが
値切られて気分の良い人はいません。
材木屋というのは たいてい値札がついていません。
ウチの母などは 良品を値切るお客さんには 初めから高い値段を言って 体よくあしらってしまったりします。
話がそれました。
父の主張は「商売にとって一番大事なのはお客さんではない。仕入れ元だ」というものです。
お客さんっていうのは 沢山います。
「 Aが来なくなったらBが来る。Bが来なくなったらCが来る....。
お客さんっていうのは 沢山いるんや。
目の前のお客さんを大事にするのは大事やけど 別に執着する必要も無い。」
肝心なのは仕入れ元。
仕入れ元がなくなったら 大変です。
仕入れ先はたいていそんなに多くありません。
仕入れ先がしっかりと存在するから小売りは頑張れるのです。
余談ですが、ホームセンターに売っているコンパネやベニヤ板は 材木屋で買うよりも安いんです。だから 安いものが必要な人には 向かいにあるホームセンターに買いに行ってもらいます。
材木屋で売っているものは 商品自体が違うものなんです。
材木屋のちょっと高いコンパネじゃないと困る人も 中にはいるので、扱っているのです。
話を戻しますね。
だから 仕入れ先のやる気をなくさせるようなことは絶対しない、というのが父の主張です。
また、商品を悪し様にののしると、商品は悪いものになってしまいます。
値切って仕入れた品物は たいてい値切られることになります。因果応報ですね。
仕入れ先とうまくやっていると
向こうから お買い得品を教えてくれるのです。
どの会社にも 何らかの理由で処分したいものはありますし、
それが破格の値となることもあります。
また、材を見分ける人が少なくなり、
あまり一般的でない材料のことをよくわかって ちゃんと売ることの出来る人が本当に少ないことも理由のひとつでしょう。
市場に行くと 父のそばに人が集まって来て
「この木はなんですか?どうやって使うんですか?...どうやって売ったらええんですか?」
と聞かれるそうです。
すんません、長くて。
Edited by じゅんか 2010-04-13 21:19:36
Last Modified 2020-08-25 14:07:47